【JP100周年特集】2023年は山崎蒸溜所100周年&白州蒸溜所50周年!|最新ニュースもご紹介
2023年は、ジャパニーズウイスキー100周年を迎えた記念すべき年です。
なぜ2023年なのかというと…
日本初の本格的な蒸溜所として建設された山崎蒸溜所が100周年を迎え、白州蒸溜所は50周年を迎えるからです。
もちろん山崎蒸溜所が建設される前から、ジャパニーズウイスキーの歴史は始まってましたが、1923年はジャパニーズウイスキーがある意味、本格的なスタートを切ったタイミングだと言えます。
今回はその山崎蒸溜所と白州蒸溜所について、これまでの歩みにあわせてラインナップまで詳しくご紹介していきます。
2024年に向けてサントリーの山崎&白州への大規模計画とは?
2023年の100周年を迎え、次の100年後のウイスキー事業を見据えて、100億円規模の設備投資を2024年までに順次行うことが、2月1日の記者会見で発表されました。
100億…スケールが!?
具体的にはどういった内容ですか?
ウイスキーの製法で重要な工程であるモルティングとは、簡単に言うと『大麦をアルコール発酵できるように発芽させ糖類を作り出せる状態にする』工程です。
それを手作業で行うのが『フロアモルティング』です。
現在スコットランドでもフロアモルティングを続けている所はありますが、多くはありません。
大量の水を含んだ大麦をフロア=床一面に広げ、発芽できるように約4時間ごとにシャベルで掘りながら撹拌させ、最適な状態で成長を寸止めするので、まさに職人の技術が必要になります。
品質向上のために、蒸溜所内にある技術開発や品質研究するための小型蒸溜施設に、電気式の加熱ができる蒸溜釜を新たに導入する予定です。
リニューアルオープンは秋を想定されているとのことでした。
今後の安定的な供給のために、自社で酵母を開発できるようにする目的とのことです。
今後の100年後も最高のウイスキーの原酒を使えるように、サントリーでは様々な備えを企画していることが発表されました。
100周年を迎える山崎蒸溜所を詳しくご紹介
山崎蒸溜所は、日本で初めての本格的なウイスキー蒸溜所として1923年に名水百選に選ばれた「離宮の水(水生野)」が湧き出る山崎に建設されました。
蒸溜所の建設は、現サントリーの前身である寿屋の経営者だった鳥井信治郎氏が、のちに現在のニッカウヰスキー創業者となる竹鶴雅孝氏をスカウトしたことで始まります。
所在地 | 大阪府三島郡島本町山崎5-2-1 |
創業年 | 1899年 生産開始:1924年 |
運営 | サントリースピリッツ |
見学 | 有り 工場見学/ショップは、2023年4月30日まで可能。 5/1〜秋頃まで改修工事のため休止 (※詳細はこちら) |
公式サイト | https://www.suntory.co.jp/factory/yamazaki/ |
ハウススタイル | バランスの良さ |
ストーリー
当時の日本では、今で言うスコッチウイスキーのような本格的なものはありませんでした。
そこに目をつけたのが、寿酒造(現:サントリー)の社長 鳥井信治郎と摂津酒造に所属していた竹鶴政孝ですね!
当時の鳥井信治郎は「日本で世界に誇る日本のウイスキーを作る」夢を抱き、竹鶴政孝は「本格的なウイスキーを日本で作る」夢をお互いにもち、歩み出そうとしていました。
1918年に竹鶴政孝は、スコットランドへウイスキー造りを学ぶために留学し1920年に日本へ帰国します。
帰国後「さあ本格的なウイスキー製造にかかろう!」と意気込んだものの、第一次世界大戦の影響で資金調達ができず計画は頓挫し、勤めていた摂津酒造を退職後し学校で化学教えていました。
その頃、鳥井信治郎もウイスキー製造をスタートするために人材を探しており、適任者として竹鶴政孝に声をかけたことで、いよいよ日本のウイスキーの歴史が歩みはじめます。
1923年の6月、竹鶴は鳥井の会社 寿屋へ入社。
鳥井信治郎は、竹鶴政孝に「良質な水が確保でき、かつ京阪神でアクセスが良い土地」で蒸溜所を建設することを条件に一任します。
……実はこの時、竹鶴政孝はスコットランドのような気候の土地である北海道を提案したそうです。
しかし、鳥井はこの案に難色を示しました。
アクセスの良い京阪神を考えていた理由の一つが「蒸溜所に消費者が見学できるようにしたかった」ことでした。
それ以外にも、ターゲットが住む消費地からの輸送コストの面でも、北海道を採用することは難しかったそうです。
そのため、竹鶴は再度大阪近郊の候補地を出し、その中にあった現在の山崎に建設することに至りました。
ついに1929年4月1日、日本初の国産ウイスキー『白札』の発売に漕ぎ着けました。
残念ながら白札の売れ行きは悪かったそうですが、その後現在でも大人気の「サントリーウイスキー12年(現在の角瓶)」や「サントリーオールド」が発売されます。
100年経った今は、山崎蒸溜所が作るウイスキーは、世界中のウイスキーラバーが注目していますね!
山崎蒸溜所のスタンダード商品をご紹介
現在は、海外の名だたるウイスキー品評会で受賞し続けています。 最近では山崎55年(330万円)が、香港のオークションで驚きの8,515万円程で落札され話題を呼びました。
味わいは、濃厚で柔らかく少し甘味を感じさせるコクと、華やかなフルーティーさが特徴的です。 そのリッチな味わいで、多くのウイスキーファンを虜にしていますね。
山崎ノンエイジ
ノンエイジとは、熟成年数が表記されていないウイスキーを指します。 熟成年数が表記しないので、使用されている原酒は古参のものから若々しいものまで構成される年数は、ウイスキーによって様々です。
山崎ノンエイジは、ミズナラ樽熟成のモルトと、ワイン樽熟成のモルトなどをブレンドしています。
ノンエイジながら、雑味を感じさせない深いコクと華やかな風味が楽しめます。
容量(アルコール度数) | 容量:700ml(アルコール度数 43%) |
分類 | シングルモルトウイスキー |
希望小売価格 | 4,950円(税込) |
入手難易度 (高い程困難) | |
香り | ・苺 ・プラム ・シナモン ・樽香 |
山崎12年
山崎12年は、蒸溜所の60周年を迎えた年に発売され、世界的なコンペティションで金賞を打ち出してきたシングルモルトです。
フルーティな風味とビターでスパイシーな味わいに加え、若干スモーキー感を感じます。
容量(アルコール度数) | 容量:700ml(アルコール度数 43%) |
分類 | シングルモルトウイスキー |
希望小売価格 | 11,000円(税込) |
入手難易度 (高い程困難) | |
香り | ・バニラ ・桃 ・マーマレード ・柿 ・レーズン |
受賞経歴はこちらです
- 2018年 ISC金賞
- 2014 SWSC金賞
- 2013 SWSCダブルゴールド(最優秀金賞)
- 2010 ISC金賞
- 2009 SWSCダブルゴールド(最優秀金賞)
- 2003 ISC 金賞
山崎18年
山崎18年は、ウイスキーブームで一気に18年以降は特に入手困難なウイスキーに数えられるようになりました。
全体的に当然のことながらノンエイジに比べて年数を重ねた原種で構成するため、よりリッチな厚みある奥行きを味わいを感じます。
シェリー樽由来のドライフルーツのような濃厚な甘味や、ビターなウッディーの余韻が続きます。
容量(アルコール度数) | 容量:700ml(アルコール度数 43%) |
分類 | シングルモルトウイスキー |
希望小売価格 | 35,200円(税込) |
入手難易度 (高い程困難) | ※希少価値が高いためネットショップにて、プレミア価格が販売されています。 ※実店舗で出会う確率は少ないです。 |
香り | ・レーズン ・いちごジャム ・プディング ・蜂蜜 ・樽香 |
受賞経歴はこちらです
- 2018年 ISC金賞
- 2015年 SWSC ベスト アザーウイスキー賞、SWSC ダブルゴールド(最優秀金賞)
- 2014年 ISC金賞
- 2013年 ISC 金賞
- 2013年 SWSC ダブルゴールド(最優秀金賞)
- 2012年 ISC トロフィー(最高賞)
- 2011年 SWSC ダブルゴールド(最優秀金賞)
- 2010年 SWSC ダブルゴールド(最優秀金賞)、ISC 金賞
- 2009年 SWSC ダブルゴールド(最優秀金賞)
- 2008年 SWSC ダブルゴールド(最優秀金賞)
- 2007年 ISC 金賞
- 2006年 IWSC トロフィー(最高賞)
- 2005年 SWSC ダブルゴールド(最優秀金賞)
山崎25年
山崎25年は、希少な長期熟成の原酒を使用するため、年間生産数がわずか千数百本と言われている限定品です。
そのため、インターネット上では高額なプレミア価格で取引されています。
容量(アルコール度数) | 容量:700ml(アルコール度数 43%) |
分類 | シングルモルトウイスキー |
希望小売価格 | 176,000円(税込) |
入手難易度 (高い程困難) | ※希少価値が高いためネットショップにて、プレミア価格が販売されています。 ※実店舗で出会う確率は少ないです。 |
香り | ・ドライフルーツ ・蜂蜜 ・香木(伽羅) ・オレンジマーマレード |
50周年を迎える白州蒸溜所を詳しくご紹介
白州蒸溜所は、山崎蒸溜所の1973年の創設50周年記念で建設されたサントリーの第二蒸溜所です。
森林公園をコンセプトに、南アルプス甲斐駒ヶ岳の森林内に建設されました。
山崎蒸溜所とは異なる材料を使用し、発酵樽はベイマツの木桶樽だけにするなど、全く異なる蒸溜所です。
所在地 | 山梨県北杜市白州町鳥原2913-1 |
創業年 | 1899年 生産開始:1973年 |
運営 | サントリースピリッツ |
見学 | 要予約 改修工事のため、見学・レストランなどを含め2023年秋まで休止 (※見学風景の詳細はこちら) |
公式サイト | https://www.suntory.co.jp/factory/hakushu/ |
ハウススタイル | ・爽やか ・洗練されたピート感 ・クリア |
白州蒸溜所のラインナップをご紹介
白州蒸溜所のウイスキーは、濃厚な味わいが特徴の山崎蒸溜所とタイプが違います。 まるで森林を思わせるような爽快さで、微かにピート香が漂いクリアな味わいが特徴的です。
白州ノンエイジ
白州ノンエイジは、飲んだ瞬間にまるで澄みきった森林の情景が浮かぶような印象を受けます。
水々しい爽やかな味わいの奥に、ほのかに甘いピート香が広がり、スッキリと洗練された味わいです。
容量(アルコール度数) | 容量:700ml(アルコール度数 43%) |
分類 | シングルモルトウイスキー |
希望小売価格 | 4,950円(税込) |
入手難易度 (高い程困難) | |
香り | ・新緑の香り ・ミント ・スモーキー |
白州12年
白州12年は、ノンエイジと同様に新緑の香りが楽しめ、フレッシュな果実の風味が加わります。
また、白州らしい爽やかなスモーキーさも優しく広がり、より複雑なフレーバーを感じます。
容量(アルコール度数) | 容量:700ml(アルコール度数 43%) |
分類 | シングルモルトウイスキー |
希望小売価格 | 11,000円(税込) |
入手難易度 (高い程困難) | ※希少価値が高いためネットショップにて、プレミア価格が販売されています。 ※実店舗で出会う確率は少ないです。 |
香り | ・新緑の香り ・青りんご ・ピート |
受賞経歴はこちらです
- 2016年 SWSC最優秀金賞
- 2014年 SWSC金賞
- 2013年 SWSC最優秀金賞
- 2012年 ISC金賞、SWSC金賞
- 2011年 SWSC最優秀金賞
- 2010年 IWSC金賞ベスト・イン・クラス
- 2009年 IWSC金賞ベスト・イン・クラス
シングルモルト白州18年
白州18年は、白州らしい精錬された森林のような印象とあわせ、より熟した果実(オレンジやマンゴー、メロン….)のフレーバーを感じ蜂蜜のような甘さが楽しめると言われています。
容量(アルコール度数) | 容量:700ml(アルコール度数 43%) |
分類 | シングルモルトウイスキー |
希望小売価格 | 35,200円(税込) |
入手難易度 (高い程困難) | ※希少価値が高いためネットショップにて、プレミア価格が販売されています。 ※実店舗で出会う確率は少ないです。 |
香り | ・オリエンタル ・熟したオレンジ ・マンゴー ・メロン ・すだち(シトラス系) ・ピート |
受賞経歴はこちらです
- 2016年〜2017年 ISC金賞
- 2016年 SWSC最優秀金賞
- 2015年 SWSC最優秀金賞
- 2013年〜2014年 ISC金賞
- 2010年 IWSC金賞ベスト・イン・クラス、IWSC最高賞トロフィー
- 2009年 ISC金賞
- 2007年 IWSC金賞ベスト・イン・クラス
- 2006年 ISC金賞
シングルモルト白州25年(数量限定)
25年以上熟成された稀少な原酒は、ウーディーな原酒、ピーティーな原酒、シェリー樽原酒といった3つの特長的な原酒で構成されています。
そのため味わいは、スモーキーさはもちろんのこと芳醇な果実のような甘さが楽しめるそうです。
容量(アルコール度数) | 容量:700ml(アルコール度数 43%) |
分類 | シングルモルトウイスキー |
希望小売価格 | 176,000円(税込) |
入手難易度 (高い程困難) | ※希少価値が高いためネットショップにて、プレミア価格が販売されています。 ※実店舗で出会う確率は少ないです。 |
香り | ・オリエンタル ・熟した柿 ・マンゴー ・チョコレート ・ピート |
受賞経歴はこちらです
- 2018年 ISC最高賞トロフィー、WWAワールドベスト・シングルモルトウイスキー
- 2016〜2017年 ISC金賞
- 2012〜2015年 ISC金賞
- 2012年 ISC最高賞トロフィー
- 2011年 IWSC金賞
- 2010年 ISC金賞
- 2009年 IWSC金賞ベスト・イン・クラス
- 2008年 ISC金賞
ジャパニーズウイスキー100周年!これからの活躍に注目
今回はスタンダードな商品をご紹介しましたが、山崎蒸溜所・白州蒸溜所共に毎年数量限定の特別なボトルを販売しています。
限定ものにはなりますが、いつもと違う味わいが楽しめる貴重な機会です。
2023年4月からは100周年記念蒸溜所ラベルの山崎/白州が限定発売!
発売されるのは以下のボトルになります。
- 山崎(ノンエイジ)
- 山崎12年
- 白州(ノンエイジ)
- 白州12年
限定ではありますが、いつものサントリーウイスキーサイトからの発売でなく、現行品と同じ形式で価格も変わらず発売されるとのことです。
ぜひ山崎蒸溜所・白州蒸溜所のファンの皆様、この機会にジャパニーズウイスキー100周年を楽しんでください。
各蒸溜所で、100周年関連の最新情報があれば、いち早く皆さんへお伝えします。
\今回ご紹介したウイスキー/