【みんな知ってる?6】日本の『ジャパニーズウイスキー』とは?|世界5大ウイスキーの一つである日本のウイスキー文化から、2021年2月に日本洋酒酒造組合から定められた定義まで!

ジャパニーズウイスキーの文化から最新情報までご紹介
マスター蔵本
日本のウイスキー文化は、以前NHK朝の連続テレビ小説『マッサン』で、多くの方に知られましたね。
DEFU子
ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝さんと、サントリー創業者の鳥井信治郎さんの功績で、日本に本格的なウイスキー造りが開始されたんですよね。

日本のウイスキー文化を語る上で欠かせない二人の人物と、現在の最新のジャパニーズウイスキーの情報をご紹介します。
ウイスキー検定を受験する方も必見です。

目次

日本のウイスキーの父 竹鶴政孝のウイスキー人生とは?

ジャパニーズウイスキー

DEFU子
マッサンこと竹鶴政孝さんは、飛行機旅行がまだなかった頃1918年に、船でスコットランドまでウイスキー修行に行ったんですよね。
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そうなんです。

竹鶴政孝さんは、元々広島県の竹鶴酒造『小笹屋』の跡取り息子でした。

日本酒を生業にしていた家業を継ぐため、摂津酒造に弟子入りをしましたが、彼のウイスキーへの熱意が社長の目に留まり、単身スコットランドへ留学を果たします。

竹鶴政孝さんは、ウイスキーを学ぶためにスコットランドのグラスゴー大学で勉学に励んだのち、いくつかの蒸溜所で修行しました。

竹鶴政孝の修行した蒸溜所とは?
  1. 1919年4月:スペイサイド『ロングモーン蒸溜所』
  2. 1920年:キャンベルタウン『ヘーゼルバーン蒸溜所』
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その時に、生涯の伴侶リタさんと出会ったんですよね!
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そうです。

修行を終えた竹鶴政孝さんは、リタさんを連れて1920年に日本に帰国し、ジャパニーズウイスキーの製造に乗り出そうとします。

 

苦難の日本初の本格ウイスキー造り

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ちょうどその頃の日本は、第一次世界大戦で苦しんでいました。

そんな中、日本にとっては革新的なウイスキー造りは、余裕のない周囲の人からは受け入れられない挑戦です。

DEFU子
せっかく留学までしたのに!

そこで、竹鶴政孝さんがとった行動は、摂津酒造を退職し、ウイスキー造りのできる環境を自ら整えることでした。

はるばる日本までやって来たリタさんにとっては、慣れない日本での暮らしや、経済的余裕のない生活に気苦労も多かったでしょう。

ですが、二人三脚で一歩また一歩と進んで行き、二人にとっての転機が訪れます。

 

寿酒造(現:サントリー)創業者の鳥井信治郎との出会い

山崎蒸溜所

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鳥井信治郎は、日本で本格なウイスキーの製造にいち早く注目し、実現ができる人材を探していました。
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サントリーの鳥井信治郎は、竹鶴政孝を工場長としてスカウトして、1923年から山崎蒸溜所の建設から取り組み始めて、夢だった日本初の本格的な国産ウイスキー造りを始めたんですよね!

●1923年
日本初の本格的な蒸溜所『山崎蒸溜所』(寿屋/現サントリー)が誕生。

 

ウイスキー造りは長い年月を必要としますが、なんとか1929年に日本初の国産ウイスキー『白札』が発売されました。

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残念ながら、白札の売れ行きはよくありませんでした。
DEFU子
日本酒など飲み慣れていた日本人にとって、本格的な白札はスモーキー過ぎたんですね。

その後、1934年にサントリー創業者の鳥井信治郎との契約が終了し、竹鶴政孝は独立することになります。

発売から90年の歴史をもつ白札

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大日本果汁(現:ニッカウヰスキー)を設立

ニッカウイスキー

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寿屋を退職した竹鶴政孝は、『ウイスキーは北の大地で』という思いを胸に、ウイスキー造りに適した環境を求めて北海道へ向かいます。
DEFU子
北海道は、スコットランドの気候や環境に似ていたそうですね。

●1934年
北海道の余市町に『大日本果汁』(現ニッカウヰスキー)が誕生。

●余市町に決定した3つの理由

  1. 年間を通して冷涼で湿潤な気候
  2. 豊かな自然や湿地帯の環境
  3. ウイスキー造りに必要な材料(ピート(泥炭)・石炭・原料の穀物・樽の材料になるミズナラの木)が揃う

山崎蒸溜所の時と同様に、ウイスキー造りは時間がかかります。
資金を蓄えるために地元で採れたリンゴ果汁のジュースを販売していました。

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その後1936年からウイスキー造りを行い、1940年に第1号の『ニッカウヰスキー』を発売することに成功します。
DEFU子
スコットランドで修行したこともあり、今では現地でも見られない伝統的なウイスキー造りを現在も行われているそうですね。

現在の余市蒸溜所は、竹鶴政孝やリタとの家や博物館などが建設され、北海道の観光スポットになっています。

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2019年9月以降の最新ジャパニーズウイスキーの情報

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日本のウイスキーは、世界の数々のウイスキー関連の賞を受賞するほど、世界中から注目されています。
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中でも、今年2019年8月に話題となったのが、イチローズモルトですよね!

そのニュースとは、香港のコレクターがイチローズモルトの1985年〜2014年に製造された、トランプカードシリーズ54本セットが香港の競売で落札されたことです。

その額は、ジャパニーズウイスキーの最高落札額は約1億円でした。

近年、ジャパニーズウイスキーは日本を超えて、世界的に認められるブランドとなっています。

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そのように注目されているジャパニーズウイスキーは、TWSC(東京ウイスキー&スピリットコンペティション)で更に明確に分けられる取り組みが始まりました。
DEFU子
取り組みとは?

今まで、不明確だったジャパニーズウイスキーとされているものを、明確に日本からするとどういう分類のウイスキーかを定義で分類されています。

ジャパニーズウイスキーの定義とは?
  1. ジャパニーズウイスキー(日本ウイスキー)
  2. ジャパニーズニューメイクウイスキー(日本ニューメイクウイスキー)
  3. ジャパンメイドウイスキー(日本製ウイスキー)
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それぞれの3つの概要をご紹介します。

1.ジャパニーズウイスキーの定義とは?
2021年4月1日から運用開始

日本の蒸溜所で、糖化の工程から発酵・蒸留をし、熟成を日本国内でしたウイスキーのことです。

日本洋酒酒造組合が、『ジャパニーズウイスキー』の定義を2021年2月16日に初めて基準を制定しました。
運用は2021年4月1日から始まります。

簡単にまとめました
原材料 原材料は、麦芽・穀類を使用し、日本国内で採取された水を使用すること。
(※麦芽は必ず使用)
糖化・発酵 日本国内の蒸溜所で行うこと。
蒸留 日本国内の蒸溜所で行うこと。
アルコール95%未満で実施する。
熟成 原酒を700リットル以下の木樽に詰め、日本国内で3年以上貯蔵すること。
瓶詰め 日本国内で瓶詰めすること
充填時のアルコールは40%以上。
(色調整などのカラメルの添加はOK。)

基本的には、スコッチウイスキーの定義を参考にしたようです。
今回の制定により、海外原酒を使用したものはジャパニーズウイスキーと称するとはできないことが確定しました。

DEFU子
なるほど。
定義は分かりましたが、種類はどうなるんですか?

↓↓↓

ジャパニーズウイスキーの種類とは?
モルトウイスキー ジャパニーズ・モルトウイスキー

  • モルト(大麦麦芽)100%
  • 蒸留方式は、単式でも連続式でもOK。
    (※単式は2回or3回でもOK)
グレーンウイスキー ジャパニーズ・グレーンウイスキー

  • 様々な穀物で対応OK。
  • 蒸留方式は単式でも連続式でもOK。

例えば大手メイカーの中で対象となる有名な銘柄は以下の通りです。

  • サントリーホールディングス
    響、山崎、白州、知多、ローヤル、スペシャルリザーブ、オールドなど
  • ニッカウヰスキー
    竹鶴、余市、宮城峡、カフェグレーンなど

 

2.ジャパニーズニューメイクウイスキーの定義とは?

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ジャパニーズニューメイクウイスキーは、原料不足に備えたTWSCで新設された分類だと言えますね。
DEFU子
なぜですか?
定義は?
ジャパニーズ
ニューメイクウイスキー
定義はジャパニーズウイスキーがベースです。

  • 違いは熟成期間が2年未満ということです。
  • モルトウイスキー、グレーンウイスキー、ブレンデッドウイスキーに限らない。

 

3.ジャパンメイドウイスキーの定義とは?

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ジャパンメイドウイスキーは、外国産のウイスキーに注目したものです。
DEFU子
最近では、外国からウイスキーを輸入して、日本のウイスキーとブレンドした製品もありますよね。
定義は?
ジャパン
メイドウイスキー
  • 外国産ウイスキーを輸入し、国内で日本のウイスキーとブレンドした製品を指す。
  • 輸入後、外国産ウイスキーを日本で加水・瓶詰めしている製品。
  • 輸入後、外国産のウイスキー単独の製品。

つまり、外国から輸入したウイスキーを、日本でそのまま販売もしくは加水やブレンドしたウイスキーであっても、『ジャパニーズウイスキー』や『ジャパニーズニューメイクウイスキー』には当てはまらないということです。

例えばこちらのウイスキーです!

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DEFU子
ということは!
“日本製”のウイスキーと、外国産ウイスキー(ワールドウイスキー)を明確に区分けした重要な定義なんですね。
マスター蔵本
ええ。
ただ、法律的に改変されたわけではないので、今までのウイスキーがこれをキッカケにして、次々に名称が変更されるわけではないでしょう。
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