【みんな知ってる?1】香りとコクが魅力的なウイスキー|基礎編:こだわり抜かれた製法で作られる琥珀色のお酒の正体とは?
ウイスキーと聞くと、「クセが強そう」「飲みにくそう」など、ハードルが高いと思ったことはありませんか?
でも、ウイスキーは、女性も楽しめるお酒なんです!
また、割り方で味や香りが変わる、変幻自在なお酒と言えますね。
そんなウイスキーの魅力を知って、ご自宅で晩酌に楽しんでみませんか?
知っておきたいウイスキーの基礎知識
ウイスキーは未経験でも、ハイボールは飲んだことはありませんか?
冒頭でもお伝えした通り、ウイスキーは初心者の方でも、種類や飲みやすいように工夫すれば、楽しめるお酒だと言えます。
まずは、ウイスキーの基礎からです。
ウイスキーってどんなお酒?
お酒は、大きく分類すると、蒸留酒・醸造酒・混成種に分けられます。
蒸留酒・醸造酒・混成種の違い
醸造酒 | ワイン・日本酒・ビールなど 醸造酒は、果実や麹などの原料を、発酵させることで造られるお酒です。 原料によって、糖質を含みます。 |
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蒸留酒 | 焼酎・ウイスキー・ウォッカ・ブランデー・ジンなど 発酵で作ったお酒(醸造酒)を、さらに蒸留することで、造ったお酒のことを指します。 蒸留によって、アルコール成分を抽出するため、ウイスキーやウォッカといった、アルコール度数の高いお酒に仕上がり、中には90度を越えます。 その他の特徴は、蒸留で糖質などの成分がとぶので、糖質がゼロです。 |
混成酒 | リキュール・梅酒・薬酒など 醸造酒や蒸留酒に、糖分や香料と合わせて、果実や薬草を漬け込んだお酒です。 混成酒の中には、漢方を加えるて、薬効をつけるものもあります。 |
蒸留酒の仲間であるウイスキーは、世界で様々な方法で造られています。
主要な生産国は、スコットランド・アイルランド・アメリカ・カナダ・日本です。
上記の5家国以外にも、徐々に他の国でも、ウイスキーが生産され始めています。
ウイスキーの3つのルール
ウイスキーには、3つのルールがあります。
- 蒸留酒である
- 原料に穀物を使用している
- 樽での熟成
また雑学になりますが、上記のルールを更に細かくお伝えすると、国によっては厳格に、熟成させる年数が決まっています。
日本は、熟成にかける、貯蔵年数に規定はないので自由です。
また、貯蔵年数が変わることでも、ウイスキーの香りは変わります。
ウイスキーの味や香りはどうやって決まるの?
ウイスキーの味や香りは、大きく分けて『穀物の種類・ピート・水・蒸留方法・樽』によって、味や香りが決まります。
原材料の穀物
ウイスキーの原料になる穀物は、大麦・大麦麦芽・トウモロコシ・小麦・ライ麦・ライ麦麦芽です。
1960年代の後半に、「スコットランド産の大麦に大革命を起こした」と言われるほど、穀物の革新を図ったのが『ゴールデンプロミス種』と名付けられた大麦でした。
それ以降も、大麦は何度か品種改良をされています。
また、ウイスキーの種類によって、扱う穀物が細かく決まっています。
モルトウイスキー | 大麦麦芽だけで作る、シンプルなウイスキー。 |
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グレーンウイスキー | トウモロコシ・未発芽の大麦・小麦・ライ麦を使用。 連続式蒸留 |
モルトウイスキーと違い、グレーンウイスキーは使用する穀物の比率などでも、味が多彩に変化します。
芳醇なウイスキーの香りの元となるピート
ウイスキーは、先ほどお伝えした通り、穀物類を原材料にします。
それ以外にも多くのウイスキーに、香り(フレーバー)のために『ピート』が使用されています。
初めてウイスキーが、日本に登場した時、ウイスキー特有の芳醇んなスモーキーなピートの香りに、多くの人が驚き『煙臭い』と言いました。
今では、そのスモーキーな香りにも慣れた方も増え、ジャパニーズウイスキーの種類も、年々増えてきています。
そもそも、ピートって泥のことですよね?
どこでも泥が積み上がれば、ピートになるかと言えば、なりません。
ピートは、スコットランドの湿原に多く、日本では北海道でピートが産出されています。
北海道に注目したのが、日本でウイスキーの歴史を作り、現在のジャパニーズウイスキーブランドへ導いた、ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝さんです。
ウイスキー造りに欠かせない大量の水
仕込み水は、軟水・硬水のどちらも使用されます。
スコッチウイスキーでは、硬水より軟水とされていましたが、アメリカやカナダでは、硬水のクリアな面を活かした、ウイスキーで評価を得ています。
どちらの水でも、含まれるミネラルの成分量を活かした製造方法を取るので、一概にどちらが良いとは判断が難しい部分です。
日本は、日本酒などからも分かるように、天然の綺麗な水が豊富な環境です。
ウイスキーの蒸留所も、日本の酒蔵と同様に、水源の近くに建てられています。
蒸留方法で風味に違いが出る!
上記で少しご説明しましたが、ウイスキーは蒸留酒の仲間です。
発酵で作ったお酒(醸造酒)を、さらに専用の蒸留釜を使用して、蒸留作業を丁寧に行なっていきます。
ポットスチルは、蒸留所によって形状が変わり、「単式蒸留器」と「連続式蒸留機」に分かれます。
スコットランドで竹鶴政孝はポットスチルの構造を知るために内部の掃除を率先して行ったたそうな。誰もが嫌がりそうな仕事を引き受け、さらに大きなものを得ようとしたんじゃな。#マッサン #リタ #マッサン #リタ pic.twitter.com/8mXlIOAu72
— ニッカウヰスキー【公式】 (@nikka_jp) 2014年10月7日
主にモルトウイスキーなどの、蒸留に使われるポットスチルです。
形状の種類は、ストレート型・ランタン型・バルジ型があり、それぞれ風味が変化します。
つまり、どの形状で蒸留するかで、味わいが変わります。
連続式蒸留機が使用されるのは、グレーンウイスキーやバーボン・ウイスキーなどです。
ポットスチルとは違い、形は縦長の筒状で、1塔式から多塔式があります。
単式蒸留器と同様に、ウォッシュ(発酵させたもろみ)を入れて蒸留させますが、連続的に入れることができ、大量の蒸留ができるのが利点です。
ウイスキーを熟成させる樽にも秘密が!?
ウイスキーの風味が、一番左右されるのは、実は樽の存在です。
蒸留された後、加水をした蒸留液は、樽に入れ長期間保存するため、樽の香りがウイスキーへと移ります。
熟成期間は、国やメーカーによって異なりますが、長ければ30年もの間、熟成させる場合があります。
樽の成分が滲み出ることで、徐々に蒸留液が、琥珀色に染まります。
ウイスキーを熟成保存させる樽は、大きく分けて2種類あります。
ヨーロピアンオークの材質と、ホワイトオークの材質です。
先ほどの、2種類の材質から作られた樽で、さらに以前何のお酒に使われた樽か、どれぐらいのサイズの樽か、などで変化していきます。
例えば、バーボンを熟成させた樽や、シェーリーにワインなど、樽を再利用することで、ウイスキーはさらに、旨味を吸収してくのです。
バレル(180〜200ℓ) | アメリカのバーボン熟成用の樽。 |
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ボックスヘッド(220〜250ℓ) | バレルを解体して、胴回りにボリュームを出した樽。 |
バット(480〜500ℓ) | 容量通り大きいということが、名前の由来にもなった樽。 主にシェリーに使われる。 |
パンチョン(480〜500ℓ) | ビールやラム酒に使用されていたが、現在はジャパニーズウイスキーに使われる樽。 |
原材料に、トウモロコシを使用しています。
シェリーは、スペインのヘレス地方で造られている、酒精強化ワインの一種です。
酒精強化とは、醸造過程でアルコールを添加して、度数を高めたワインのことを指します。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
そこが、楽しみな部分です。
次回の記事は、ウイスキーの作り方をご紹介します!