【みんな知ってる?1】香りとコクが魅力的なウイスキー|基礎編:こだわり抜かれた製法で作られる琥珀色のお酒の正体とは?

ウイスキーと聞くと、「クセが強そう」「飲みにくそう」など、ハードルが高いと思ったことはありませんか?

DEFU子
男性のお酒だと、感じている女性も、多そうですね?
でも、ウイスキーは、女性も楽しめるお酒なんです!
マスター蔵本
ウイスキーは、種類によって、独特の香りも変わり、中には初心者向けの銘柄もあります。
また、割り方で味や香りが変わる、変幻自在なお酒と言えますね。

そんなウイスキーの魅力を知って、ご自宅で晩酌に楽しんでみませんか?

目次

知っておきたいウイスキーの基礎知識

マスター蔵本
 突然ですが、みなさんにご質問です。
ウイスキーは未経験でも、ハイボールは飲んだことはありませんか?
DEFU子
意外と、ハイボールとウイスキーが、紐づいていない方がいらっしゃりそうですね。
マスター蔵本
多くの方に、好まれているハイボールも、れっきとしたウイスキーの飲み方です
冒頭でもお伝えした通り、ウイスキーは初心者の方でも、種類や飲みやすいように工夫すれば、楽しめるお酒だと言えます。

まずは、ウイスキーの基礎からです。

ウイスキーってどんなお酒?

DEFU子
ウイスキーは、お酒の中で言うと、蒸留酒の仲間です。
マスター蔵本
いきなり蒸留酒と言っても、戸惑う方も多いでしょう。
お酒は、大きく分類すると、蒸留酒・醸造酒・混成種に分けられます

 

蒸留酒・醸造酒・混成種の違い

醸造酒 ワイン・日本酒・ビールなど
醸造酒は、果実や麹などの原料を、発酵させることで造られるお酒です。
原料によって、糖質を含みます。
蒸留酒 焼酎・ウイスキー・ウォッカ・ブランデー・ジンなど
発酵で作ったお酒(醸造酒)を、さらに蒸留することで、造ったお酒のことを指します。
蒸留によって、アルコール成分を抽出するため、ウイスキーやウォッカといった、アルコール度数の高いお酒に仕上がり、中には90度を越えます。
その他の特徴は、蒸留で糖質などの成分がとぶので、糖質がゼロです。
混成酒 リキュール・梅酒・薬酒など
醸造酒や蒸留酒に、糖分や香料と合わせて、果実や薬草を漬け込んだお酒です。
混成酒の中には、漢方を加えるて、薬効をつけるものもあります。

蒸留酒の仲間であるウイスキーは、世界で様々な方法で造られています。
主要な生産国は、スコットランド・アイルランド・アメリカ・カナダ・日本です。

上記の5家国以外にも、徐々に他の国でも、ウイスキーが生産され始めています。

ウイスキーの3つのルール

DEFU子
どの国でも、ウイスキーが蒸留酒だと言うこと以外に、共通している部分があるんですよね?
マスター蔵本
その通りです。
ウイスキーには、3つのルールがあります。
ウイスキーの3つのルールとは?
  1. 蒸留酒である
  2. 原料に穀物を使用している
  3. 樽での熟成
マスター蔵本
上記の3つを満たしていなければ、ウイスキーとして商品化することはできません。

また雑学になりますが、上記のルールを更に細かくお伝えすると、国によっては厳格に、熟成させる年数が決まっています。
日本は、熟成にかける、貯蔵年数に規定はないので自由です。

また、貯蔵年数が変わることでも、ウイスキーの香りは変わります。

ウイスキーの味や香りはどうやって決まるの?

ウイスキーの味や香りは、大きく分けて『穀物の種類・ピート・水・蒸留方法・樽』によって、味や香りが決まります。

原材料の穀物

ウイスキーの原料になる穀物は、大麦・大麦麦芽・トウモロコシ・小麦・ライ麦・ライ麦麦芽です。

1960年代の後半に、「スコットランド産の大麦に大革命を起こした」と言われるほど、穀物の革新を図ったのが『ゴールデンプロミス種』と名付けられた大麦でした。
それ以降も、大麦は何度か品種改良をされています。

DEFU子
ウイスキーの歴史を見ると、何度も品種改良されていますよね。
マスター蔵本
そうです。
また、ウイスキーの種類によって、扱う穀物が細かく決まっています。
モルトウイスキー 大麦麦芽だけで作る、シンプルなウイスキー。
グレーンウイスキー トウモロコシ・未発芽の大麦・小麦・ライ麦を使用。
連続式蒸留

モルトウイスキーと違い、グレーンウイスキーは使用する穀物の比率などでも、味が多彩に変化します。

芳醇なウイスキーの香りの元となるピート

ウイスキーは、先ほどお伝えした通り、穀物類を原材料にします。
それ以外にも多くのウイスキーに、香り(フレーバー)のために『ピート』が使用されています

初めてウイスキーが、日本に登場した時、ウイスキー特有の芳醇んなスモーキーなピートの香りに、多くの人が驚き『煙臭い』と言いました。
今では、そのスモーキーな香りにも慣れた方も増え、ジャパニーズウイスキーの種類も、年々増えてきています。

DEFU子
ピートは、ウイスキーのアクセントということですね。
そもそも、ピートって泥のことですよね?
マスター蔵本
簡単にお伝えすると、コケや草木が長い時をかけ、堆積した泥炭(でいたん)のことを指します。

どこでも泥が積み上がれば、ピートになるかと言えば、なりません。

DEFU子
どうしてですか?
マスター蔵本
ピートが作られるには、寒冷地と湿原といった環境が重要です。

ピートは、スコットランドの湿原に多く、日本では北海道でピートが産出されています。
北海道に注目したのが、日本でウイスキーの歴史を作り、現在のジャパニーズウイスキーブランドへ導いた、ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝さんです。

ウイスキー造りに欠かせない大量の水

DEFU子
ウイスキー造り使用される水は、『仕込み水』と呼ばれます。
マスター蔵本
どの製造工程でも、大量に必要とするため、各蒸溜所は予め大量に、天然水を確保する必要があり、もっとも重要なポイントと言えるでしょう。

仕込み水は、軟水・硬水のどちらも使用されます。

スコッチウイスキーでは、硬水より軟水とされていましたが、アメリカやカナダでは、硬水のクリアな面を活かした、ウイスキーで評価を得ています。

どちらの水でも、含まれるミネラルの成分量を活かした製造方法を取るので、一概にどちらが良いとは判断が難しい部分です。

DEFU子
日本は、軟水なんですよね?
マスター蔵本
ええ。日本は、仕込み水に軟水を使用しています

日本は、日本酒などからも分かるように、天然の綺麗な水が豊富な環境です。
ウイスキーの蒸留所も、日本の酒蔵と同様に、水源の近くに建てられています。

蒸留方法で風味に違いが出る!

上記で少しご説明しましたが、ウイスキーは蒸留酒の仲間です。

発酵で作ったお酒(醸造酒)を、さらに専用の蒸留釜を使用して、蒸留作業を丁寧に行なっていきます。

マスター蔵本
蒸留釜のことを、一般的にポットスチルと呼びます。

ポットスチルは、蒸留所によって形状が変わり、「単式蒸留器」と「連続式蒸留機」に分かれます。

DEFU子
玉ねぎが伸びたような形が、単式蒸留器のポットスチルなんですよね!


単式蒸留器とは?

主にモルトウイスキーなどの、蒸留に使われるポットスチルです。
形状の種類は、ストレート型・ランタン型・バルジ型があり、それぞれ風味が変化します。

DEFU子
なんで、こんな変わった形をしているんですか?
マスター蔵本
ポットスチルの形状で、蒸留後の酒の質(成分)が変わるんです。
つまり、どの形状で蒸留するかで、味わいが変わります
ポットスチルを使用する際は、ウォッシュ(発酵させたもろみ)を入れ多状態で加熱します。
中でアルコールが気化し、上昇ししていき、ポットスチルから繋がっている、冷却機へ流れて冷やされることで、液体に戻ります。

この流れを、通常は2回繰り返し、アルコールの度数を高め、純度の高いお酒にすることができます。

DEFU子
単式蒸留器で作られた蒸留液は、「ニューポット」や「ニュースピリッツ」と呼びます。
マスター蔵本
単式蒸留器の味は、力強く個性豊かな仕上がりになるのが特徴です。
連続式蒸留機とは?

連続式蒸留機が使用されるのは、グレーンウイスキーバーボン・ウイスキーなどです。

連続式蒸留機は、1831年にイーニアス・コフィーが実用化させました。

ポットスチルとは違い、形は縦長の筒状で、1塔式から多塔式があります。

単式蒸留器と同様に、ウォッシュ(発酵させたもろみ)を入れて蒸留させますが、連続的に入れることができ、大量の蒸留ができるのが利点です。

DEFU子
連続式蒸留機で作られた蒸留液は、「ニューメイク」や「ニュースピリッツ」と呼びます。
マスター蔵本
単式蒸留器・連続式蒸留機のどちらも、蒸留によって糖質などの成分を飛ばすので、醸造酒のビールに比べ、カロリーも低いのが女性には嬉しいポイントでしょう。

ウイスキーを熟成させる樽にも秘密が!?

ウイスキーの風味が、一番左右されるのは、実は樽の存在です。
蒸留された後、加水をした蒸留液は、樽に入れ長期間保存するため、樽の香りがウイスキーへと移ります。

熟成期間は、国やメーカーによって異なりますが、長ければ30年もの間、熟成させる場合があります。

マスター蔵本
実は、蒸留直後の液は、みなさんが見慣れている、美しい琥珀色ではなく、無色透明なんです。

樽の成分が滲み出ることで、徐々に蒸留液が、琥珀色に染まります。

DEFU子
その過程で、より複雑な香りや、味わいも変化していくんですね。

ウイスキーを熟成保存させる樽は、大きく分けて2種類あります。
ヨーロピアンオークの材質と、ホワイトオークの材質です。

ウイスキーで使用する樽は?

先ほどの、2種類の材質から作られた樽で、さらに以前何のお酒に使われた樽か、どれぐらいのサイズの樽か、などで変化していきます

例えば、バーボンを熟成させた樽や、シェーリーにワインなど、樽を再利用することで、ウイスキーはさらに、旨味を吸収してくのです。

樽の種類
バレル(180〜200ℓ) アメリカのバーボン熟成用の樽。
ボックスヘッド(220〜250ℓ) バレルを解体して、胴回りにボリュームを出した樽。
バット(480〜500ℓ) 容量通り大きいということが、名前の由来にもなった樽。
主にシェリーに使われる。
パンチョン(480〜500ℓ) ビールやラム酒に使用されていたが、現在はジャパニーズウイスキーに使われる樽。
DEFU子
バーボン樽のバーボンは、どんなウイスキーのことですか?
マスター蔵本
バーボンとは、アメリカのケンタッキー州で主に造られている、アメリカンウイスキーのことです。

原材料に、トウモロコシを使用しています。

シェリーは、スペインのヘレス地方で造られている、酒精強化ワインの一種です。
酒精強化とは、醸造過程でアルコールを添加して、度数を高めたワインのことを指します。

おわりに

マスター蔵本
まず初回のため、ウイスキーの基礎知識をお伝えしました。
いかがでしたでしょうか。
DEFU子
知れば知るほど、ウイスキーは奥が深いお酒ですよね。
そこが、楽しみな部分です。

次回の記事は、ウイスキーの作り方をご紹介します!

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