今回は、ウイスキーとブランデーについての基礎知識ですね!
お酒に詳しくない人でもウィスキーとブランデーの名前くらいは聞いたことがあるでしょうし、もうすこし詳しい人なら『ナポレオン』や『シングルモルト』という言葉も聞いたことがあるでしょう。
ただ「ではこの2つの違いは?」と聞かれると中々答えられません。
ここではそんな2つのお酒を比較していきます。
目次
1. 2つとも蒸留酒

まず共通点として、ウィスキーとブランデーは両方共蒸留酒です。
蒸留酒の種類一覧
ウイスキー・ブランデー・ジン・ウォッカ・ラム・テキーラ・アクアビット・カルヴァドス・グラッパ・キルシュ・シュナップス・焼酎・泡盛・白酒など
よく飲まれる日本酒やビール、ワインなどは穀物などのでんぷん質や糖分を酵母で発酵させて作る醸造酒です。
この醸造酒は発酵の都合上、アルコール度数をあげるには限界がります。
そこで醸造酒を蒸留してエタノールを濃縮し、アルコール度数を上げるのが蒸留酒となります。
ウィスキーやブランデーのアルコール度数が高いのはこの蒸留を経ているためです。
ちなみにウィスキーとブランデーの色合いはよく似ていますが、これは蒸留後に樽に入れて熟成させるためつく色です。
ですから樽で熟成させなければ焼酎などと同じように無色透明です。
(安価な製品の中には熟成ではなく色素や香味料で色付けをしたものがあります)
ウィスキーでも変わった商品として、熟成させてない透明なウィスキーが存在しますよね。
透明なウイスキーとは、蒸留してできた『ニューポット』、つまり熟成の前段階の工程ものです。
少し変わり種の商品ですが、れっきとしたウイスキーであり、『マルス・ウイスキー津貫蒸留所』や『長浜蒸溜所』から発売されています。
2. ウィスキーは穀物ベース

製法が似通っているウィスキーとブランデーですが、大きな違いとして材料の違いがあります。
ウィスキーの材料と言えば、大麦・小麦・ライ麦・トウモロコシなどの穀物が原料ですね。
ざっくりとしたウイスキーの作り方
- 一般的な製法としては、まず麦を加工してアルコール度数7%前後のウォッシュと呼ばれる液体を作ります。
- ウォッシュを蒸留器で複数回蒸留させて、アルコール度数を60度〜70度前後になるまであげます。
- その後、木製の樽にウィスキーを詰めて熟成させることで、ウィスキー独特の風味と味を実現させます。
実際の製品にする場合は、次にブレンドを行い味や品質を一定化させる必要があります。
ウイスキーの原酒は、樽ごとの違いや熟成の度合いによって風味や味が変わります。
そのため、いくつかの樽の原酒を調合して、品質を一定化させるのです。

このように、複数の原酒をブレンドしたものを『ブレンデッドウィスキー』と呼びます。
ブレンデッドウイスキーとは逆に、一つの蒸溜所で作られたウィスキーのみをブレンドすると『シングルモルトウィスキー』ですね。
ちなみに、ブレンドをせず一本の樽から出したウィスキーを瓶詰めした商品も存在し、これを『シングルカスク』と呼びます。
↓ウイスキーの詳しい製法などはコチラへ↓
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3. ブランデーは果実ベース

ウイスキーは穀物が原料ですが、一方でブランデーは果実をベースに作られた蒸留酒です。
一般的にブランデーと言った場合、ぶどうを原料とした蒸留酒を指します。
ただ、りんごを原材料としたアップル・ブランデーや、その他にも木苺や洋梨などを原材料とした蒸留酒もブランデーと呼ばれます。
また、さくらんぼを漬けて風味を加えたリキュールをチェリーブランデーと呼ぶなど、果実をベースとした蒸留酒やブランデーベースのリキュールにもブランデーの名称が使われることがあります。
全て果実がベースですが、ここまで種類が豊富とは!!
そうですね。
そしてブランデーの作り方自体は、ウィスキーによく似ています。
簡単にブランデーの作り方をご紹介します。
- まずは、収穫したぶどうを発酵させてワインを作ります。
(※この際には、赤ワイン用のぶどうは向いていないということで、白ワインが作られます。)
- このワインを蒸留し、その後樽に入れて熟成、ブレンドを行うことで製品となります。
ちなみにブランデーに関連する言葉として有名なものに「ナポレオン」がありますが、これは特定の商品を指す言葉ではありません。
『ナポレオン』とは、ブランデーの熟成度合いによってつけられる等級の一つです。
4. まとめ
- ウィスキーはビールと同じように穀物をベース作った蒸留酒
- ブランデーはワインと同じように果実をベースに作った蒸留酒
この2つは熟成なども含めてよく似た製法で作られますが、原材料の違いにより風味や味に大きな違いがあります。
この点を意識しながら、じっくりと飲み比べてみると面白いですね。