全英オープンゴルフ公式ウイスキーの『ロッホローモンド蒸溜所』をご紹介|有名なローモンドスチルについても解説中!
現在『ロッホローモンド』シリーズは、125カ国以上で販売され世界の中で急成長を続けているシングルモルトのTOP5に入ると言われています。
今回はその『ロッホローモンド蒸溜所』の歴史から、この蒸溜所の中でも最も知られているローモンドスチルというユニークな構造の蒸留器についてなどをご紹介していきます。
最後には、ロッホローモンドが発売しているウイスキーについてもご紹介しているので、ぜひ次回購入するウイスキーのご参考にしてください。
『ロッホローモンド』蒸溜所をご紹介
1814年〜
1814年にリトルミラ蒸溜所(現在閉鎖中)の第2の蒸留施設として、ローモンド湖の北端ターバントに創設されます。
リトルミラ蒸溜所はスコットランドの中でも、初期に設立されたと言われている蒸溜所です。
当時のリトルミル蒸溜所では、3回蒸留を行っていました。
そのため、リトルミル蒸溜所所長の『ダンカン・G・トーマス』氏は、ロッホローモンド蒸溜所で同様の効果を出すために、特殊なストレートネックのポットスチルが開発します。
プラントマネージャーは、当時33才の若さだったミッチェル・ソルビー氏が任命されます。
1966年〜
その後19世紀の中頃に閉鎖され、1966年9月2日に現在のローモンド湖畔(南ハイランド地方)に移転し再開します。
ここは当時のリトルミル蒸溜所の敷地内でした。
(※蒸溜所の建物は、1965〜66年に染色工場を改造したものです。)
実質的に、この時がロッホローモンド蒸溜所の開業と言えるでしょう。
ダンカントーマス氏が60年代後半に亡くなり、バートン社が引き継ぎます。
しかし1980年代に業界の急速な減退をうけ、再び1984年に再度閉鎖されます。
1987年に「アレクサンダー・ブロッホ&グレンカトリン」社が買収し再稼働します。
※1985年に『ロッホローモンド・ディスティラリーズ社』と改名
1994年〜
1994年はグレーンウイスキー蒸溜所と樽工場が建設された年です。
当時のスコットランドでは、モルトとグレーンを両方生産することができるのはロッホローモンド蒸溜所だけでした。
また、樽工場が同じ敷地内にあることも珍しかったようです。
蒸留から樽詰め作業まで一連で行え、かつモルトとグレーンを両方生産できるので、様々なカスタマイズが可能になりました。
1999年〜
1999年に2種類のポットスチル、2007年には連続式蒸留器のカフェスチルを導入し、現在合計4機を稼働させ、様々なタイプの原酒を製造しています。
- 特殊な『ストレートネック型のポットスチル』
- 伝統的な『玉ねぎ型のポットスチル』
- 世界的に珍しい『連続式蒸留器のカフェスチル』
- グレーンウイスキーを製造する『連続式蒸留器』
ロッホローモンド蒸溜所は、上記の蒸留器を導入したことでより多様な原酒を生み出すことができました。
世界的にも所有していることが珍しいと言われる、旧式の連続式蒸留器です。
日本では、ニッカウヰスキーの宮城蒸溜所が所有しています。
2014年〜
ロッホローモンド蒸溜所は、キャンベルタウンにあるグレンスコシア蒸溜所と一緒に、イギリスの投資家グループに買収され『ロッホローモンド グループ』になります。
キャンベルタウン同様、ロッホローモンド蒸溜所も生産ラインや人員面にブランドなど、全てが改革されました。
その甲斐あり、2018年には誰でも一度は聞いたことがある権威をもつ全英オープンゴルフトーナメントで、ロッホローモンドは公式ウイスキーに認定されました。
We’re thrilled to announce that Loch Lomond Whiskies has signed a new partnership with @EuropeanTour, becoming the first Official Partner of the innovative new UK Swing! For more information, please visit https://t.co/7qlhRl8dXP.#SpiritofTheTour #ExploretheSpirit pic.twitter.com/5YA5EWuve8
— Loch Lomond Malts (@LochLomondMalts) June 16, 2020
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『ロッホローモンド蒸溜所』の製造についてご紹介
『ロッホローモンド蒸溜所』の蒸留器
大きく4つのタイプが使用されています。(下記のイラストのイメージです)
It’s pretty remarkable, isn’t it! #WhiskyWednesday #SpiritOfTheOpen pic.twitter.com/nfjPs6Aanv
— Loch Lomond Malts (@LochLomondMalts) April 10, 2019
ストレートネック型 のポットスチル (モルトウイスキーで使用) |
ネックの内部は、17段に板で区切られている特殊な構造です。 ローモンドスチル(ローモンド式ネック)とも呼ばれています。 ※初留2基・再留2基 <特徴> 段の部分に様々な成分が付着することで、蒸留された原酒は、非常にフルーティーな酒質に仕上がりになります。 |
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玉ねぎ型 のポットスチル (モルトウイスキーで使用) |
伝統的な玉ねぎ型のポットスチルです。 ※初留1基・再留1基 <特徴> オイリーでヘビーな酒質に仕上がります。 |
連続式蒸留器 のカフェスチル |
所有していること自体が珍しいカフェスチル。 シングルグレーンの製造で使用されています。 <特徴> 素材由来の風味が強く出すことができると言われています。 |
連続式蒸留器 | グレーンウイスキーを製造するのに使用されています。 |
上記の全くタイプの異なるスチルのおこげで、ロッホローモンド蒸溜所では多種多様な性格の原酒を生み出すことができるのです。
ロッホローモンド蒸溜所の特徴である『ローモンドスチル(ローモンド式ネック)』を詳しく解説
Our unique straight neck pot stills allow us to accurately control the temperature, enabling us to take spirits off at different cut points. This is what captures the diverse flavour notes you find in our range of single malts.#LochLomondWhiskies #Distillery #LochLomond #Whisky pic.twitter.com/yfzsUxwFdL
— Loch Lomond Malts (@LochLomondMalts) January 27, 2020
上述でもお伝えした通り、『ローモンドスチル(ローモンド式ネック)』は真っ直ぐ上に伸びた円筒のようなストレートネック型のポットスチルです。(※上記の写真)
モルトウイスキーの製造で使用されています。
リトルミル蒸溜所の所長『ダンカン・G・トーマス』氏が、3回蒸留するリトルミルと同様の効果を2回で出すことを目的に開発されたスチルです。
※単式蒸留器と連続式蒸留器の中間のような変わった
ネックの内部(円筒部分)は、17段に分かれた棚板(シーブトレイ)で区切られています。
※完全に区切っているわけではありません。
この棚板のおかげで、雑味成分が阻まれて上がりにくくなるそうです。
上の方はアルコール度数が高く、下の方は低くなるといったことが可能になり、特徴的な原酒に仕上がります。
『ロッホローモンド蒸溜所』の樽工場について
When our cooperage was first opened in 1994, by Senior Cooper Tommy Wallace, we gained the ultimate control over the casking and ageing of our unique whisky range. Find out more about on on-site cooperage here: https://t.co/5rKDq0s62k pic.twitter.com/aDiWDcuXt3
— Loch Lomond Malts (@LochLomondMalts) June 26, 2020
1994年に樽工場が新設され、スコットランドを代表する樽職人『トミー・ウォレス』氏が勤めていました。
実はスコットランドでは、樽工場まで自社で持つ蒸溜所は4箇所しかありません。
現在は5名の樽職人が、毎年1万丁の樽を修繕やリチャーーリング(焼き直し作業)を行っているそうです。
『ロッホローモンド蒸留』の造り手(マスターブレンダー)
Michael Henry, our Master Blender, works to ensure that each drop meets our unwavering high standards.
“We understand the distilling process so intrinsically, we can achieve the exact flavour we want before the whisky even enters the cask”#LochLomond #Whisky #MasterBlender pic.twitter.com/WVSoCrkRwz
— Loch Lomond Malts (@LochLomondMalts) October 7, 2019
現在、全英オープンゴルフ公式ウイスキーとして注目を集めているロッホローモンド蒸溜所のマスターブレンダーを勤めるのは『マイケル・ヘンリー』氏です。(※上記の写真)
マスターブレンダーのヘンリー氏は、2007年からロッホローモンドグループへ入社しています。
それ以前は、ブッシュミルズ蒸溜所の支援で醸造と蒸溜について学ぶために大学へ行き、卒業後はベルファストのブルワリー(醸造所)で勤務していたそうです。
2021年WWAで6メダルの快挙!
ロッホローモンドグループのウイスキーは、世界各国で開催されるウイスキーの品評会で数多くの受賞経歴があります。
なかでも、世界的コンペティション『World Whiskies Awards 2021(WWA)』一次ランドで快挙を遂げました。
2つの部門最高賞(カテゴリーウィナー)を含む、6つのメダルに選ばれました。
カテゴリーウィナー |
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金賞 |
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銀賞 |
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ちなみにロッホローモンド12年は、2021年東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)では、3年連続で最高金賞もしくは金賞を受賞したため、TWSC殿堂入りの快挙を果たしました。
最後に|様々なタイプのウイスキー
ロッホローモンド、インチマリン、インチモーンといった3種類のシングルモルトがあります。
ロッホローモンドは、シングルモルトと『シングルブレンド』に使用されている名称です。
シングルフレンドとは、グレーンとモルトが単一の蒸留所からブレンドされたものということです。
それ以外のものを『インチマリン』といった、付近の島や名称からとった名前にしています。
面白いのが、先ほどご紹介したシングルモルト以外に、モルトを原材料に連続式蒸留器で蒸留して作られた『シングルグレーンウイスキー』などもあります。
\ぜひお試しください/
★モルトを使用し連続式蒸留器で作られた『シングルグレーン』
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★伝統的なポットスチルで作られた原酒を使用した『シングルモルト』
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★シングルモルトウイスキー
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★全英オープンゴルフ公式の限定ウイスキー
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