【ウイスキーの歴史2/ 17世紀〜】密造酒時代がウイスキーに琥珀色を与えた!|終息後、政府公認第1号になったグレンリベット蒸溜所とは?
ウイスキーの歴史で重要な出来事である、17世紀以降のスコットランドで起こった『密造酒時代』を中心にご紹介していきます。
【ウイスキーの歴史】第一回目は、紀元前の醸造酒と蒸留酒の歴史から17世紀頃までの流れをご紹介しました。
( 第一回目はこちら)
今回は、いよいよ17世紀以降の現代のウイスキーに近づいた流れをご紹介していきます。
最後には、当時から注目されている蒸留で作られるウイスキーもご紹介していきますので、ぜひご参考にしてください。
17世紀頃からウイスキーは密造酒として取引されていた
ウイスキー密造を行うきっかけとなった酒税とは?
実はスコットランドではこの頃、17世紀から19世紀にかけてウイスキー製造に非常に重い高額の酒税がかけられていました。
(初課税は1644年)
1707年イングランドにスコットランドは併合され、イングランド政府はフランスとの戦争に補填する財源確保に政策を立てました。
また、ウイスキーの製造は政府が公式に認定した製造所以外は全て禁止され、製造に関わる設備なども押収さるなど、厳しい制約がかけられていたそうです。
1725年あたりになると、酒税は数倍以上に上がる程、明らかに理不尽な課税でした。
結果的にこの政策はスコットランドの民衆から反感を買い、密造時代が発起した原因に繋がりす。
1707年の併合は、スコットランドとイングランドの経済の格差などあり、統合されるしかないという状態だったものの、あくまでも対等関係のはずでした。
しかし実際は建前で、例えばイングランドの議席数は513席に対し、スコットランドは45席といった形で、スコットランドの民衆は不満が募る一方です。
密造時代で進化したウイスキー
多くのウイスキー生産者は、高額の酒税から逃れるために、ハイランド地方 北部の山中に隠れながらウイスキー製造を続けます。
ウイスキー造りの腕がたつ生産者たちは、正規ではなく密造を選択しました。
\密造が盛んだった場所とは?/
北部のハイランド地方の中でも、特にスペイ川流域のスペイサイドが盛んだったようです。
現代でもウイスキーの聖地として知られています。
↓↓↓
その理由は、密造によって偶然起きたいくつかの恩恵にあります。
\密造の恩恵とは?/
山の奥に潜伏したことで、ウイスキー造りに使用したのは、良質な大麦と澄み通った清水、そして一般的な燃料で使用されていたピート(泥炭)でした。
また、ウイスキー運搬のしやすさと目くらましに、蒸留したものをシェリーの空樽に詰めて保存していました。
上記の原材料と保存(熟成)方法が幸いし、それまでは透明だったウイスキーに美しい琥珀色が付き、ピートを炊くことでスモーキーなフレーバーと合わさって、味わいはまろやかで深みが出ます。
ようやく、現代のウイスキーの形へと進化と遂げました。
1823年 酒税法の改正で密造時代が終息に近づきます
多くの密造業者が活躍する中、徴税官の取り締まりも続き、1822年には1万4,000件も摘発があったと言われています。
1823年、ウイスキーに対する高額な酒税が改正され税率が下がりました。
そのキッカケの一つに、下記のようなエピソードが伝えられています。
当時、英国王ジョージ4世は大酒飲みで有名でした。
密造業者の中でも、ウイスキーの品質が高いことで知られていたグレンリヴェット蒸溜所の『ザ・グレンリヴェット』を、英国王はスコットランドを訪れた際所望し絶賛しました。
その後も英国王は、密造酒である『ザ・グレンリヴェット』を愛飲し続けました。
↓↓↓
グレンリヴェットの創業者ジョージ・スミスは、他の密造業者を裏切った形になりましたが、次第に他の蒸溜所も免許を取得していき密造時代の幕を閉じます。
その後、多くの元密造業者がそのまま残り、スコッチウイスキーを盛り上げていきました。
創業者ジョージ・スミスのレシピを再現した『ザ・グレンリベット ファウンダーズリザーヴ』
英国王ジョージ4世にウイスキーが愛飲した、創業者ジョージ・スミスの『ザ・グレンリヴェット』の作り方を再現したのが、『ザ・グレンリベット ファウンダーズリザーヴ』です。
約200年前の伝統的な製法を行いながら、原酒も伝統的経年オーク樽などを使用しています。
種類 | スコッチウイスキー |
---|---|
容量・アルコール度数 | 容量:700ml(アルコール度数40%) |
所有者(製造元) | ペルノリカール社(ザ・グレンリベット蒸溜所) |
香り | ・フルーティーな柑橘系 ・果物のような甘めの上品な香り ・はちみつのような香り |
味わい | ・口当たりが爽やかで角がない ・じんと舌に残るフルーティーな風味 ・リンゴのような甘さ、オレンジのようなサッパリさを感じる。 ・余韻は、まろやかさを感じるが尾を引かない |
[template id=”1313″]