『カナディアンウイスキー』とは?|世界5大ウイスキーの中でもライトな味わい!

世界5大ウイスキーの中でもライトな飲み心地が楽しめる【カナディアンウイスキー】の歴史・概要・各地の蒸溜所について詳しくご紹介します!
DEFU子

カナディアンウイスキーは、日本でも『カナディアンクラブ』で有名な世界5大ウイスキーのひとつです。

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アメリカの禁酒法時代に発展を遂げた、比較的ライトでまろやかな飲み心地が特長的だと言えます。

カナディアンの中には、英国王室と縁の深い『クラウンローヤル』ボトルや、150ヶ国の人から親しまれている『カナディアンクラブ』などがあります。
今回は、現在カナダで生産されるウイスキーの概要や、その蒸溜所などカナディアンウイスキーの特長をご紹介していきます。

目次

概要|カナディアンウイスキーとは?

カナディアンウイスキーの概要と歴史をご紹介!

カナディアンウイスキーの定義

カナディアンウイスキーとは、カナダで製造されるウイスキーの総称です、世界5大ウイスキーに数えられます。
スコッチやアイリッシュ同様、いくつか法で定められた定義があります。

カナディアンウイスキーのルールとは?
  • 穀物が原料。
  • 麦芽などで糖化し、酵母で発酵させた蒸留酒
  • 3年以上木樽(容量700ℓを超えない樽)で熟成
  • アルコール度数40%以上で瓶詰めを行う
  • ❶糖化❷蒸留❸発酵の3工程は、カナダ国内で行う
  • カラメルorフレーバリング(香味を付けるために使用するカナディアン以外のスピリッツやワイン)の添加は可能

カナディアンウイスキーの歴史

カナディアンウイスキーを語るのに重要なのは、まず1775年のアメリカ独立戦争(独立宣言は1776年)です。
当時、カナダはイギリスの支配下にありました。
アメリカの独立を反対した一部のイギリス系住民たちが、国境を越えてカナダへ移住し穀物の栽培をはじめます。
栽培された穀物は基本的に食用でしたが、余った分で蒸留酒を製造する人が増え始め、これがカナディアンウイスキーの土台となりました。

そうこうしているうちに、アメリカでは1920年から禁酒法時代へ突入し、カナダのウイスキー業界はここから本格的に発展していきます。
当時のカナダは、アメリカへの輸出を禁止していませんでした。
次々に大量のカナディアンウイスキーがアメリカへ密輸され、カナディアンウイスキーの黄金期を迎えます。

そのため、カナダウイスキー蒸溜所はアメリカとの国境に近い箇所に建設されていきました。

カナディアンウイスキーの種類

カナディアンウイスキーは、アメリカンウイスキーと違い、種類は大きく3つ『フレーバリングウイスキー』『ベースウイスキー』、そして2つをブレンドした『カナディアンブレンデッドウイスキー』しかありません。

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カナディアンウイスキーの多くが、『カナディアンブレンデッドウイスキー』です。

基本の種類

カナディアンウイスキーの種類をご紹介
カナディアンウイスキーの種類をご紹介

熟成工程では、フレーバリングウイスキーとベースウイスキーを別々で行う場合もあれば、蒸留したてのスピリッツの段階でブレンドして熟成を行う場合もあります。
もちろんフレーバリングウイスキーだけでブレンドし、熟成した製品もありますが珍しいです。

フレーバリングウイスキー●【原料】
ライ麦、トウモロコシ、ライモルト、モルト……など

● 【蒸留】
1塔式式の連続式蒸留機とタブラーを使用。
64〜75%まで蒸留

● 【特長】
・スコッチで表現すると、モルト原酒。
・バーボンに似ている
ベースウイスキー●【原料】
トウモロコシなどが主な原料

●【蒸留】
連続式蒸留機を使用。
95%以下で蒸留

● 【特長】
・スコッチで表現すると、グレーン原酒。

↓上記をブレンドしたのが

カナディアンブレンデッドウイスキー上記のフレーバリングウイスキーと、ベースウイスキーをブレンド

●【比率(一般的に)】
・フレーバリングウイスキー10〜30%
・ベースウイスキー70〜90%
(※カナダ以外のものを添加してOK)

● 【添加するもの】
・通常はバーボンが多い
(※ブランデーや酒精強化ワインの場合も)

因みにカナディアン『ライウイスキー』とは?

カナディアンライウイスキーライ麦の比率はカナディアンウイスキーでは定められていません。
そのため、比率に関係なくライ麦を使用していれば『ライウイスキー』と記載してもOKです。

カナディアンウイスキーの蒸溜所をご紹介

カナディアンウイスキーの蒸溜所をご紹介

アルバータ州の蒸溜所

アルバータ州の蒸溜所

アルバータ

アルバータをご紹介
創業年1946年
運営ビームサントリー社
設備・年間生産能力:2,000万ℓ
・フレーバリング、ベースウイスキーも製造
ブランド・アルバータプレミアム
(ライ麦100%)
・ダークバッチ
(ライ麦91%+バーボン8%+シェリー1%)

代表的なボトルはこちら

ブラックベルベット

ブラックベルベット
創業年1939年
運営コンスタレーション・ブランズ社
設備・年間生産能力:約1,850万ℓ
ブランド・ブラックベルベット

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ハイウッド

創業年1974年
運営ハイウッドディスティラーズ社
設備・年間生産量:250万ℓ
ブランド・ホワイトオウル
・カナディアンロッキーズ
・センチュリーリザーブ
・ナインティ

マニトバ州の蒸溜所

マニトバの蒸溜所

ギムリ

創業年1968年
運営ディアジオ社
設備・熟成庫:46棟(140万ℓの樽が保管)
・年間生産量:約3,300万ℓ
販売量2015年に売上NO.1
ブランド・クラウンローヤル

英国王室に献上されたクラウンローヤル

ギムリ蒸溜所と言えば、1939年に英国王室に献上されてから現在も多くの人に親しまれている、カナディアンブレンデッド『クラウンローヤル』が有名です。

なんと、当時シーグラム社が運営した時にクラウンローヤルを製造するために、専用の蒸溜所として建設したため別名クラウンローヤル蒸溜所とも言われていました。
余談ですが、試作はギムリ蒸溜所でなくラ・サール蒸溜所が行い、その後の製造をしたのがギムリ蒸溜所です。

カナダ国内の売上が2015年にNO.1となり大人気のカナディアンですが、日本では2021年キリンビールからの販売が停止しています。

代表的なボトルはこちら

オンタリオ州の蒸溜所

オンタリオ州の蒸溜所

カナディアンミスト

創業年1967年
運営ディアジオ社
設備・年間生産量:約1,250万ℓ
販売量カナディアンブランドで第4位
ブランド・カナディアンミスト

代表的なボトルはこちら

ハイラムウォーカー

ハイラムウォーカーは、カナダにある蒸溜所の中で一番南に位置します。

創業年1858年
運営ペルのリカール社
設備・年間生産量:5,500万ℓ
販売量カナディアンウイスキー第3位
※日本ではカナディアン第1位
ブランド・カナディアンクラブ

アルカポネが依頼した特別製のボトルとは?

ハイラムウォーカーは、アメリカの禁酒法時代に他の蒸溜所と同じく、大量のウイスキーを密輸していました。
現在は、日本でも人気の『カナディアンクラブ』が代表的ですが、当時は暗黒街の帝王アルカポネから依頼された割れないボトル『ゲートボトル』が有名だったと言われています。

ゲートボトルは、平らな形状のボトルで自社の門のデザインがボトルに加工された、とてもユニークなデザインでした。
現在は販売されておらず、市場に出回ることもほとんどありませんが、今でも密輸時代の貴重な資料などは残されています。

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フォーティクリーク(旧:キトリングリッジ)

創業年
1992年からライウイスキーの製造
運営カンパリ社
設備
販売量カナディアンウイスキー第3位
※日本ではカナディアン第1位
ブランド

ケベック州の蒸溜所

ケベック州の蒸溜所

ヴァレーフィールド

創業年1945年
運営ディアジオ社
設備・年間生産能力:2,350万ℓ
販売量
ブランド・カナディアンシュプリーム
・コロニーハウス ブレンデッドライ

ノヴァスコシア州の蒸溜所

ノヴァスコシア州の蒸溜所

グレンオラ

創業年1989年
運営ロウチー・マクリーン
設備・年間生産能力:25万ℓ
販売量
ブランド・グレンブレトンレア

世界5大ウイスキーの中でもライトな味わいが楽しめるカナディアンウイスキー

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いかがでしたでしょうか?

DEFU子

カナディアンウイスキーと言えば『カナディアンクラブ』でしたが、思った以上に色々な種類がありました!

ウイスキーと言えば「スコッチ…アイリッシュ…」といったイメージの方も多いでしょうが、そういった方にぜひ『カナディアンウイスキー』も楽しんで頂きたいです。


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