日本のウイスキー蒸溜所をまるっと一覧で解説!|世界で注目が高まるジャパニーズウイスキー
今回は、今更聞けない方も多いであろう、日本国内にある各地の蒸溜所をご紹介します。
MAPで主な日本国内の蒸溜所をご紹介
数が増えてきたのも、異業種や個人から「新たにウイスキー造りに挑む」と、ウイスキー業界への参入者が増えたことも要員の一つです。
これまでの日本のウイスキー造りは、基本的に原酒は他から購入することなく、自社で製造するスタンスが主でした。
しかし最近では、他国から原酒を購入しブレンドして作られる、ワールドウイスキーと称されるモノも販売され始めています。
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日本有数!主なメーカーとウイスキー蒸溜所をご紹介
ニッカウヰスキー:余市蒸溜所/宮城峡蒸溜所
創業者の竹鶴政孝さんは、日本のウイスキー業界の土台を築いた1人と言われています。
ニッカウヰスキーの現在の蒸溜所は、スコットランドに似た環境の北海道余市町にある余市蒸溜所と、宮城と山形の県境辺りにある宮城峡蒸溜所です。
余市蒸溜所の特徴とは?
余市蒸溜所は、1934年に創設した竹鶴政孝さんの第一号の蒸溜所です。
そのため、現在でも伝統的なスコッチウイスキーウイスキーの製法を行なっていることで有名です。
世界の中で唯一、余市蒸溜所は昔ながらの石炭直下焚で蒸溜を行っています。
よく、余市蒸溜所のウイスキーは重厚感があると言われていますが、その理由がこの石炭直下焚と言われています。
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宮城峡蒸溜所の特徴とは?
宮城峡蒸溜所は、1969年に建設されました。
竹鶴政孝さんが第二の蒸溜所に、宮城と山形の県境付近の土地を選んだ理由は、そこに流れる新川の水にありと言われています。
有名なエピソードですが、竹鶴政孝さんが候補地を探し訪れた際、新川の水で作ったブラックニッカの水割りを飲み即決したそうです。
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サントリー:山崎蒸溜所/白州蒸溜所/知多蒸溜所
両者共にウイスキーに注目した男性ですが違いと言えば、ニッカの竹鶴政孝は「本物のウイスキー」を目指し、鳥井信治郎さんは「日本人の嗜好に合うウイスキー」を目指したところでしょう。
山崎蒸溜所の特徴とは?
山崎蒸溜所は、1923年に建設されそれを称してか、「1923年が日本のウイスキー元年」と呼ばれています。
現在『山崎』や『響』といった、山崎蒸溜所で製造されるウイスキーは、プレミア価格がつく程多くのファンが注目している高級路線のブランドです。
また、家飲みの1本としてリーズナブルな『角』も、販売当初からご家庭で愛されています。
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白州蒸留所の特徴とは?
白州蒸留所は、山崎蒸溜所創設50周年記念に建設された第二の蒸溜所です。
森林公園工場をコンセプトに、蒸溜所は南アルプス・甲斐駒ヶ岳の森林内に位置します。
山崎蒸溜所とは違う材料を使用し、発酵樽には木桶槽だけにするなど、山崎蒸溜所とは全く異なった原酒を作り出しています。
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サングレイン知多蒸溜所の特徴とは?
1972年に建設されたサングレイン知多蒸溜所は、山崎蒸溜所や白州蒸溜所と違いグレーンウイスキーの蒸溜所です。
知多蒸溜所のグレーンウイスキーは、『響』『角』などで原酒として使用され、ヘビー・ミディアム・クリーンの3種類と、様々な種類の樽で熟成された原酒が製造されています。
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キリンディスティラー:富士御殿場蒸溜所
富士御殿場蒸溜所は、1972年にキリンビールとシーグラムとシーバスブラザーズの3社が合併し造られた『キリン・シーグラム社』が1973年に設立しました。
そして、グレーンウイスキーとモルトウイスキーを製造し、ボトリングまで一貫して行う世界でも珍しい複合蒸溜所です。
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江井ヶ嶋酒造:ホワイトオーク蒸溜所
ホワイトオーク蒸溜所の施設は、1984年から稼働しモルトウイスキーを製造しています。
『ホワイトオークブランド あかし』などのブレンデッドウイスキーの生産が中心でしたが、最近ではシングルモルトも販売されています。
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最近注目!!日本のクラフト蒸溜所をご紹介
ベンチャーウイスキー:秩父蒸溜所
『イチローズモルト』『カードシリーズ』で有名なベンチャーウイスキー秩父蒸溜所は、2004年に肥土伊知郎さんが創業しその2年後に設立されました。
『イチローズモルト』はワールドウイスキーアワード2017年で、『イチローズモルト秩父ウイスキー祭2017』が、世界の1位(シングルカスクシングルモルトウイスキー部門)になったことを皮切りに、2020年までで4年連続で受賞しています。
蒸溜所の建設に関わっていた岩井喜一郎さんと、ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝さんに交流があったことから、ウイスキー製造に『竹鶴ノート』を参考にされていると言われています。
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本坊酒造:マルス信州蒸溜所/マルス津貫蒸溜所
本坊酒造はウイスキーの生産を、1949年から鹿児島工場で1960年からは山梨工場でも行い、1985年から生産拠点を信州工場へ移転したものの、1992年以降生産を休止していました。
2011年から生産再開しています。
しかし1949年にウイスキー免許を取得し製造が開始されてから、「いつか…本物のウイスキーを」と竹鶴政孝さんのように想いを抱き続けていそうです。
その後、ウイスキー造りに最適な環境(寒冷地・良質な水)がそろった、長野県中央アルプス駒ヶ岳山麓標高798mの地に、念願のマルス信州蒸溜所を建設しました。
大手メーカーのように、親会社として複数の蒸溜所をもつメーカーとして、また屋久島のウエアハウス(保税貯蔵庫)・エージング(熟成)体制が揃っており、仕上がる原酒に多くの愛好家から注目されています。
マルス信州蒸溜所の特徴とは?
本坊酒造の2011年から再稼働したのが、このマルス信州蒸溜所です。
氷点下15℃を下回るほどの気候で、アルプスの雪解け水が濾過された良質な水が揃った環境によって造られています。
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マルス津貫蒸溜所の特徴とは?
2016年に、本坊酒造の第二の蒸溜所として解説されたのが、鹿児島県南さつま市にあり本土最南端に位置するマルス津貫蒸溜所です。
マルス津貫蒸溜所は、若き造り手の草野辰朗さんが中心となり、新たなウイスキーへ挑戦しています。
※こちらの1本は生産終了が発表されています。
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笹の川酒造:安積蒸溜所
1765年に創業した笹の川酒造は、日本酒・清酒・合成酒・甲類焼酎・乙類焼酎・洋酒(スピリッツ・リキュール・ウイスキー)などを製造しています。
ウイスキー造りは、1946年に免許を取得してからはじめ、当時は海外から輸入したモルト(原酒)を、自社で製造したアルコールとブレンドしていたそうです。
創業250周年の2015年に、本格的にモルトウイスキーの東北最古の蒸溜所『安積蒸溜所』を創設しされました。
ウイスキー製造には、親交のあるベンチャーウイスキー秩父蒸溜所の肥土伊知郎さんからのノウハウが活かされています。
『ニューボーン』『963』など、様々なシリーズが販売されています。
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ガイアフロー:ガイアフロー静岡蒸溜所
ガイアフローの代表の中村大航さんが異業種から2012年から参入し、2016年に静岡蒸溜所を竣工しました。
ウイスキーの愛好者であったものの、製造販売などは全て未経験のところからスタートし、秩父蒸溜所などへ足繁く通っていたそうです。
新たなウイスキー造りを目標に、蒸溜所内は徹底して地元の素材にこだわり、発酵槽などは地元産の杉を使用し、壁や天井などにも利用されています。
そして、薪直下焚きのポットスチルや、2012年に完全に閉鎖された軽井沢ウイスキー蒸溜所のポットスチルを使用しています。
しかし、いくつかのボトラーには限定的に流通されており、軽井沢蒸溜所のウイスキーは世界中の愛好家から注目の銘柄です。
そのため、ポットスチルを引き継いだガイアフロー静岡蒸溜所に、より注目が集まっています。
まだ製造が開始して約4年ですが、作り手は若い20代が中心となり仕込み、2021年からは増産の予定されているそうです。
また、宣伝を兼ねた販売がユニークなのも注目されています。
一つが『静岡蒸溜所プレミアムボトル・セレクション』と呼ばれる、5年の間に年1回合計6種類の製品が手元に届くサービスです。
(初年度は1年間熟成した原酒、2年目の原酒、3年目…..といった熟成具合が楽しめる新サービスです。)
もう一つが、2020年7月に受付が開始された、樽のオーナーになれる『静岡プライベートカスク』サービスです。
海外からも非常に注目され、今後のウイスキーに期待せざる終えません。
長濱浪漫ビール:長濱蒸溜所
1995年、滋賀県の長浜市で設立されたビール工房の長濱浪漫ビールが、2016年にウイスキー蒸溜所として開設したのが長濱蒸溜所です。
日本最小クラスの敷地面積で、麦芽の粉砕工程から発酵まではビールの製造と兼用し、瓢箪型のポットスチルで蒸溜しています。
シングルモルトを発売する前に、AMAHAGAN(アマハガン)やニューメイクを発売し、2020年5月に『シングルモルト長濱』シリーズが発売されました。
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最後に
今後の楽しみといえば、ここ数年に建設された蒸溜所のシングルモルトウイスキーが発売されるのが待ち遠しいですね。
ぜひ、まだ飲んだことがない蒸溜所のウイスキーがあれば、挑戦してみてください。